
えびす31
【幹事長の独り言】
(No.31)
~和竿のこと~
別に「和竿はいいですよ~♪」という話ではありません。
何年か後にこれを読み返してみて,その時はまた別のことを感じていたら
面白いだろ~な~と思い,和竿について今の自分が感じることを独り言。
私が使っているのは,島田天明先生の天明竿。
全竹中通しのものと,穂先他素材の外ガイドのものの2本です。
私ごときには勿体無い竿ですが,どちらもこの世に1本の宝物です。
私は自分の竿以外の和竿で釣りをしたことがありませんので,
以下は,すべて私の竿について私が感じる主観です。
天明竿には,8:2とか7:3とかの「調子」というものがありません。
胴調子とも違い,「天明調子」と言われることが多いようです。
つまり,魚を掛けて,竿に負荷が掛かってくると,どこか1点を境にそこから先は
急に曲がり辛くなるということはなくて,竿への負荷が増すに連れ,
根元の少し手前まで曲がっていきます。
よく「美しい弧を描く」という言葉がありますが,
素材の特性から和竿は竿を立てた状態で負荷を掛けることができませんので,
「弧を描く」ことはありません。
でも,曲がっていく過程,その曲がった姿に思わず息を飲む美しさがあります。
実際に魚を掛けるとどうなるのか。
調子のある竿のように,どこか1点とその周辺の堅さ・強さで魚を負かして,
そして浮かせるというのではなく,
魚の引きに合わせて,「支点」(矯まる・矯める場所)が動いていくイメージで,
その前後する支点の動きを竿が曲がり初めてから,曲がり切るまでの間の範囲で
コントロールしていると魚が浮いてくる感じです。
特に大型魚を掛けた場合には,魚の突っ込みを曲がりきる「ちょっと」手前までで
コントロールすることが大切になります。
その「ちょっと」残した部分の弾力・復元力が魚の突っ込みを受け止める
バッファーになります。
そこを超えると,姿勢を落として少しでも弾力部分を取り返すか,
それでもダメなら,大事な竿が海面に突き刺さるか,糸を出すしかありません。
(糸を出せる場所なら全然問題ないですが)
ちなみにロクマルクラスが掛かったらどうなるかは,未体験ゾーンなので,
まったく分かりません,,,。
「穂先から根本近辺まで」と,「支点」(矯まる・矯める場所)の移動範囲が広いこと,
調子がない(途中に堅いところがない)ので魚の引きと竿の撓りがスムーズに
連動することが,天明調子の釣り味の良さ,そして必要以上に魚を暴れさせない
秘密に?がっているのではないかと思います。
一方で,和竿でも8:2,7:3といった「調子」が明記されているものがあり,
そういった竿でもカーボンの竿と比較した時の和竿独特の釣り味は十分に
発揮されるようですので,調子のない和竿,調子のある和竿,どちらを選ぶかは,
個人の好みなのだと思います。較べたことがないので,何とも言えません。
ふぅ~。
これあってんのかな~。
後々,読み返すのが楽しみであります。
島田先生間違っていたら申し訳ありません。
次回に続く
えびす32
【幹事長の独り言】
(No.32)
~和竿のこと(続き)~
どの1本もこの世に同じ物はない和竿。
では,「自分に合った1本」をどのように決めるのか。
まずは,そもそも素材の選択にどんな基準があるのか。
(こっからは全然自信がありません。はい,,,。)
違うな。まずは,どんな要素で素材の特性が決まるのか。
「素材となる竹の種類」って話はありますが,
それについてはまったく分からないので華麗にスルー(笑)
節の間隔,テーパー(細くなっていく具合),断面の竹肉の厚さ,竹肉の密度,
素材の素性(そもそもの真直ぐさ)なんかでしょうか。
「どれがどうだといい」ということではなく,そういう要素が重なりあって,
それぞれがこの世に1本の独自の味のある素材となっています。
同じ天明竿の素材でも,同じ負荷を掛けた場合,どこまで曲がるか,
どのように曲がるか,曲がる過程で・矯めた時にどこに・どのように・どのくらい
復元の力が発生するか,1本1本ぜ~んぶ違います。
(違うみたいです!私には感じ取れないところも多いです(笑))
1本1本実際に曲げてみて,それぞれの味を感じ取り,
自分の求めるものに合うか合わないか,合うものはどれかを考えていく訳です。
近年は,なかなか良い素材にめぐり逢うのが難しくなっているそうです。
グリップと肘あてとなる丸い根っこ部分も,きちんと竹林の管理をしないと
良い物が育たないそうです。
釣り人が良い素材に出会うまでには,竿師さんに加え,竹を管理されている方のご苦労があることを忘れず感謝しながら釣りをしています。
続く。
えびす33
【幹事長の独り言】
(No.33)
~和竿のこと(続きの続き)~
そんなこんなで,自分に合った素材ってどんなものなのか。
悩ましいのは最初の1本。
こればっかりは,よ~く竿師さんと話をする以外にいい方法はないと思います。
今までどんな竿を使って,どんな釣りをしてきて,そしてどんなことがあったか,
和竿に何を求めているのか,作った和竿を使ってどんな場所で,どんな釣りがしたいか,などなど。
竿師さんに時間を掛けて相談しながら,そして多くの素材を実際に曲げ比べながら,
「自分に合った1本」「自分の求める1本」を決めることになります。
なので,竿師さんが黒鯛師であることはとっても心強いと思いますし,
逆に黒鯛師でなければ自分の言わんとしていることをリアルに理解してもらえない
と思います。
2本目からは,手持ちの竿での経験を基準に,どれくらいの力でどのあたりまで曲がる竿が欲しいか,ある力が掛かった時に曲がりきるまでどのくらいのバッファーが欲しいか,その過程でどのくらいの復元力が欲しいかなど,自分が求める事がある程度具体的に分かるので,それを元にまた竿師さんとじっくりお話することになります。
そんなこんなで,今,私の手元には2本の宝物がある訳です。
うぉ~!
3本目欲しい~!!
でも手元の2本で今は十分なんです。
3本目に何を求めるか。
それが具体的でないままにただ「欲しい!」では,
竿を作っていただく竿師さんに失礼なので,
自分の釣りの幅を広げて,新しい自分になって,
「こういう竿が欲しい!」と思った時に,3本目の相談に行きたいと思います。
えびす34
【幹事長の独り言】
(No.34)
~和竿のこと(続きの続きの続き)~
うぉりゃ~っと,もう1回だけ和竿のこと。
今年の課題の1つに「短竿の釣りに真っ向勝負」を掲げ,
この半年間,例年にない割合で短竿の釣りをしてきました。
もちろん使ったのは宝物の天明竿。
毎回使い続けていると~,「いいものはいい!」でもいいんだけど,,,
やっぱり,何が「いい」のか正しく理解して,自分なりの言葉で表現してみたくなる。
持っているだけで使えていないという技量の問題もそうだけど,
宝物の価値を正しく理解していないことも「宝の持ち腐れ」。
で,技量は技量で頑張るとして,,,(大汗)。
やっぱり自分で作ってみないことには,その価値も解るまいということで,
会社の近くの趣味の和竿教室に通い始めました(笑)
「矯め」以外のことは,親方の指導を受けながら基本的には全部自分の手でやっています。
恥ずかしながら,鉛筆1本すら削ったこともないし,ガイド1つも付けたことないあたしなもんで,今はこの手仕事が楽しくて楽しくてたまりません。
ただの竹が,自分の手仕事を加えることで機能を持つようになり,
必要な機能が必要なだけ備わり「竿」になっていく。
自分の手の中で無機物が有機物になっていく喜び。(何のこっちゃ?!)
初めて竿を継いだ時は相当な感動がありました。
そんなこんなで,3ヶ月になろうとしています。
心配だった漆も今のところ大したかぶれもなくやっています。
まだまだ出来上がるのはずっと先ですが,
和竿について自分が無知だったな~ということはよく解りました。痛たた。
無知の知ではないですが,少しずつでも和竿についての理解を深めていきたいと思います。
最初に書いたように,数年後にいい振り返りができることを祈って,
この和竿のネタ一旦おわります。
えびす35
【幹事長の独り言】
(No.35)
~ 釣れる釣り方について ~
暇に任せてしばし妄想を。
一生懸命やっていても釣れる釣り方になっていなければ釣れない,
釣れる釣り方になってさえいれば苦労なく釣れちゃう,
そういう場面があるように思うんです。
いくつか釣れる釣り方の「柱」みたいなものがあって,
その柱こそが「その日(その時)のパターン」なるものではないのか,
そういう気がします。
それを今の自分に置き換えてみると,柱は3本。
第一の柱~ハリハリでヘチキープ。狙う場所へ最短距離でアプローチする釣り。
第ニの柱~その先に魚のいる潮・その先で魚が喰う潮に乗せて流す釣り。
第三の柱~2つの中間。フワリ感を残して,「自然な落下」を演出する釣り。
そんで1日の中での修正は,
その日のパターンを求めて柱を超えて行なう修正,
その日のパターンを把握したうえでの柱の範囲内での修正,
の2種類があるんじゃないかって。
その他にも,
「縦の釣り」(普通の落し込み)と「横の釣り」(スライダー系),
「自然に見せる釣り」と「反射喰いを誘う釣り」,
なんて分け方もあるような気がします。
そしてそれらをコントロールし続けるには,一日の自分の釣りをリードする
心の持ち様という精神面の要素も大切なことだと思います。
心の持ち様にも攻めと守りがあって,,,
あぁ!妄想ぐちゃぐちゃ!!
新しい釣り場に通いはじめて,自分が釣れない時に釣る人,
自分より多く釣る人の釣りをたくさん見ました。
相当迷いが生じてます。
正直迷いはよくないと思います。
でも必要な迷いもあるかもしれない,その迷いが晴れた向こう側の景色も見たい。
ちょっと自分の立ち位置を確認したくて妄想してみました。
ボチボチやって行きます。